社会的なフリーランスアレルギーはいつ無くなるの?
「働き方」を掘り下げる対談
ドイツでフリーランスライターとして活動されている雨宮紫苑さんと、東京でベンチャー企業の新社会人として働くわたし、多葉田愛が「仕事の選択肢」「女性の働き方」をテーマに言いたい放題言う企画の第1弾。
ブログ「ドイツ発 雨宮の迷走ニュース」を運営されている雨宮さんとはこんな方。
91年生まれ、ドイツで迷走している引きこもり。22年住んでいた日本の文化に馴染めず、ドイツへ逃亡。大学生という仮面をかぶりつつ、ライターとして生計を立てるため奮闘中。
自分の人生は自分のものなのに、人にあわせてしまうことがあります。そういうのは、もったいないです。人がなにを言おうと、自分がやりたいようにやればいいんです。だからわたしは「いろんな生き方、考え方があるよ」っていうことを伝えていきます。
はじめまして。ハイスペックロー人間、雨宮の自己紹介 – ドイツ発 雨宮の迷走ニュース
ちなみに多葉田愛とは、こんな方(たばたあいのプロフィール)ですよ。
ブログを通じて交流はあったものの、直接雨宮さんとSkypeでお話をしたのは今回が初めてだったのですが、あまりに盛り上がり過ぎて気がつけば、2時間以上が経過。
住んでいる国も働き方も異なるふたりが、それぞれに思う「働き方」を語ってみました。
フリーランスという働き方
※以下雨宮紫苑さん(雨)、多葉田愛(愛)
愛:雨宮さんはフリーランスとして、実際にどんなお仕事をされているんですか?
雨:ライターと日本語教師がメイン。
日本語教師は免許がなくてもできるし、Skypeでも指導できます。
日本人で語学ができる人は少ないので、ドイツ語が話せる日本人というのは十分ビジネスとして成り立ちます。
フリーランスに否定的な会社員が多い理由
雨:会社員の方って、フリーランスに否定的な人が多いですよね。
愛:会社員という選択肢を自ら選んでるという感覚がない人なんでしょうね。
自分にもフリーランスという選択肢を含めて、様々な働き方がある中で、会社員を「選んだ」という感覚がないんだと思います。
雨:フリーランスって、自由で楽しそうっていうイメージがあるけど、決して楽というわけでもないですしね。
愛:わたしのイメージだと、フリーランスの方は好きなことを仕事にしている分、仕事と生活の境界線がないから、会社勤めの人が休日に仕事のことを完全に頭から追い出すのと違って、ずっと仕事のことを考えている印象。
自分が成果を作らないと収入がないというのもシビアですし、決して楽ではないと思いますけどね。
雨:まさにそう。フリーランスになってから、会社勤めで仕事が嫌だという人の話を聞くと、「仕事あるならちょうだいよ!」と思いますもん。
子育てと仕事
雨:結婚して、子どもができても仕事は続けたいですか?
愛:高校生の時は働きたいという願望が全くなくて、結婚して好きな人とのんびり過ごしたいと思っていました。
大学に入って、ようやくチームで動く楽しさを感じるようになりました。
そして今、社会人になってみて、なにかを生み出す楽しさをすごく感じます。
ずっと消費者でいるよりは、楽しみ方のひとつとして「生産」が出来る仕事はやはり続けていきたいなと思います。
雨:わたしは家でできる仕事をずっと続けていくつもり。
出産をして子育てが終わり、40代になった時になにもすることがない状態にはなっていたくない。
40、50代になった時に、一度社会から完全に離脱してしまったら復帰するのは難しいと感じます。
子育てをしながらでも、何らかの形で社会関わる事が大切。
愛:日本だと、子育てを機に完全に社会を離脱してしまう人が多すぎる。
そこで経営視点一度無くしてしまうと、社会の流れはどんどん進み、何年後かに消費者視点から戻れなくなってしまいます。ゆるやかでも社会との関わりは持つべきだと思います。
ブログはミニマルな経営の場
愛:ポジションにもよるけれど、なにも考えずに会社員をやってると、「中間の仕事」が圧倒的に多いから、目的がわかりにくい。
仕事に始まりである、案件を取るところと、仕事の終わりである、クライアントや消費者に渡すところを知らないから、ストーリーがわかっていない。
フリーランスの方が全体のストーリーが見やすいと思います。
だから、自分の仕事がどう利益に結びつくかも考えていない。そういう経営者的感覚がないことが問題。
ブログをやっていて良かったと思うのは、ミニマルだけど自分が作り手になって(記事を書いて)、収益を上げて、投資をする(寄稿記事やデザインを頼んだり、関連書籍を購入したり)という一連の流れを個人でできて、経営者視点を持てること。
雨:フリーランスは、苦手なことがあったとしても、最初から最後までやれる人間にならないといけない。
会社員でひとつのポジションにいることに否定はしないけれど、そのポジションには、自分にしかできないことなのかは考えた方がいいと思いますね。
愛:わたしが働いている会社では、強みを点ではなく面で考える。
強みを掛け合わせて、希少性を高めていく。会社内で目立たないようにするのではなく、どう目立つかを考えないと、自分でも個性が分からなくなってしまう。
「とりあえず2年」という意見
雨:以前ブログにも書いたんですけど、「石の上にも三年」とか言うけど、石にとっての3年と人間の20代の3年が違うのは明らかですよね。
愛:「新卒でフリーランスは危険。とりあえず2年は会社勤めをしてみれば。」という意見もよく聞きますけど、2年という期間は長い。「とりあえず」で過ごすのはもったいないと思う。
雨:2年あったら、世界3周くらいできますからね。
愛:世界3周!(笑)
とりあえずで2年も過ごせる人は、そもそもスピード感が経営者に向いてないと思う。どうせ経営者にならない人の意見を経営者を目指している人が聞く必要はないですよね。
日本社会に蔓延するフリーランスアレルギー
雨:フリーランスっていうと、なんだか珍しい職業みたいに聞こえるけど、つまりは自営業。自分でつくった野菜を売れば、フリーランスを名乗れます。
ハードルを上げずに、ライフスタイルに合わせてフリーランスという働き方をどんどん選択すればいいと思いますね。
愛:わたしも就職先がベンチャーというだけで、不安がる人は多かったけど、全然大丈夫。むしろネームバリューだけで、選んだ人こそ大丈夫?って思ってました(笑)。
雨:社会的なフリーランスアレルギーは無くなった方がいい。個人のスキルや好きなことから、小さく始めていけますよ。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
第2弾では、女性のキャリアについてもう少し深く語っていきますのでお楽しみに!
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